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⇒●文章引用元URL●⇒
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2018.07.05
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ある日突然、「虐待」で通報された
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親子のトラウマ
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本当に必要な対策とは何か?
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【・記者・】井戸・まさえ
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┃「僕は悪くない」が意味するもの┃
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子どもたちは・5週間後、
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ようやく・一時保護所から
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戻ってきたものの、
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彼ら自身にも、また
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親子関係にも・変化が起きたと
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Bさんは感じている。
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「これまでと違う」と
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最初に気づいたのは、子どもたちが
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「僕は悪くない」と主張するように
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なったことだった。
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子どもだって・四六時中
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天使では無い。時に嘘をついたりも
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する。それを注意しても
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「僕は悪くない。悪いのはお母さん、
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・でも・もっと悪いのは・お父さん。
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・先生にそう習ったから」と。
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心理カウンセラーは
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子どもの自尊心を高めるために
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そう教えたのだろう。
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しかし・小学4年生の子どもでは
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十分な理解はできない。
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最後の「お父さんが悪い」というのが
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デフォルメされて刻印されて
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いるようだった。
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親に何か言うことを
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聞いてもらいたかったならば、
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次男は・わざと・隣の家との
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境に行って叫んだりもするように
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なって、長男ともども・以前よりも
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手がかかるように・なった。
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彼らは・子どもと大人が入り交じる
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難しい時期を迎えていた。
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「僕がいた場所を見てほしい」
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梅雨に入ろうかという頃だった。
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子どもたちの変化に戸惑い、
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どう対処していいか迷っていた
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Bさんに向かって
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次男が・突然そう言った。
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そして、道路の標識の文字等
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覚えている幾つかの単語を言った。
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BさんはiPadを取り出し、
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Googleマップを開いた。
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地名から類推して、
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いくつかの場所を入力してみる。
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出た画面を次男に見せる。
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「ここだよ。裏の道をいくと、
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・学校につながるんだ」
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早速・行ってみることにする。
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カーナビに住所を入力するが、
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地図上には表示されなかった。
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「防犯カメラがあるから、
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・あんまり近くには行かないでね」
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次男によれば、
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一時保護所の玄関には
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防犯カメラのモニターが
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何台も並んでいて、
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不審者が入って来ないように
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見張られている。
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児童相談所では・お互いの名前や
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どこに住んでいるのかなど、
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プライバシーは言ってはいけない
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というルールがある。
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児童相談所を出た後に
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連絡を取り合ったり、
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個人情報が表(おもて)に出たり
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することを避けるためだ。
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でも・子どもたちは
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禁止されていても
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自分たちのことを話す。
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幼い子どもたちは・不安だからこそ、
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話さずには・いられないのだ。
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その端々に、それぞれが・どうして
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ここに来ているかが分かる。
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虐待、ネグレクト、家出、非行・・・。
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「朝、玄関に靴が置いてあると、
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・誰かがここから出ることがわかる。
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・あの子は施設だとか、
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・あの子は家に帰るとか、
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・みんなで・ひそひそ話すんだ」
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子どもが過ごした一時保護所の
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周りを車でぐるりと回りながら、
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そんな話をする。
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忘れなければならない記憶を
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確かめるように、
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次男は言葉をつなぐ。
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自分の靴が置いてあった時、僕は
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どうなるのだろうかと
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不安に思ったこと。促されるままに
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ワンボックスカーに乗り込んだら、
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別の児童相談所に預けられていて
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5週間・顔を合わせることのなかった
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長男が乗っていたこと。
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兄弟喧嘩が絶えない二人だったが、
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この時ばかりは「ああこれで帰れる」
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と二人で抱き合ったこと。
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次男が「施設を見てほしい」
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と言った意味を・Bさん夫妻は
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ようやく理解した。
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「僕は悪くない」
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と執拗に言うことも。
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「学校に行かせてもらえなかった
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・から、楽しみにしていた
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・学校の・スキー合宿にも
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・行けなかったよね」
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「保護所の中では・勉強も
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・年少の子を基準にするため
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・中高学年の子どもたちには
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・ほったらかしなんだ。今、
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・算数の授業についていけないと
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・感じるのは、あの時
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・勉強できなかったかなあ」
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「見たくもないDVDを
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・ひたすら見せられて、
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・不満を言うと・叱られて
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・廊下に立たされたんだよ」
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子どもたちも納得していないのだ。
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なぜ児童相談所で過ごすことに
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なったのかを。
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「君は悪くない」と言いながらも、
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「ここでのことは・一切
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・人に話しては・ならない」
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「場所も・教えてはダメ」
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「友だちにも
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・名前を言ってはいけない」・・・
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つまりは・記憶の一切合切は
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封印しなければならない。
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それは「悪いこと」だからだ。
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「君は悪くない」と言われながらも、
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次男には「僕が悪かった」からこそ
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僕は・ここにいるのだ、としか
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思えなかったのだ。
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●3●
・に続く。
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