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| ※・この物語の登場人物
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| (・今回のシリーズでは
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| ・登場人物の名前は
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| ・歌詞の中に出てきません。)
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| ●・剣介(ケンスケ)・33歳
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| 耐震工事を請け負う会社の
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| 開発と営業担当。
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| 妻子あり。
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| ●・菜月(ナツキ)・享年35歳
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| 剣介(ケンスケ)の妻。専業主婦。
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| 独身時代は
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| ラウンド・ガール等を
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| 派遣するモデル事務所に
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| 所属していた。
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| この物語の中で、
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| 乳癌で入院して亡くなります。
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| ●・依知果(イチカ)・28歳
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| 剣介(ケンスケ)の同僚で部署も同じ。
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| 彼より5歳下。
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| 女子バスケットボール部の
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| スポーツ少女だった。
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| 学生時代は・恋愛経験無し。
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| 剣介が初めての彼氏だが、
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| 平日の夜だけの不倫関係にある。
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| ●・由香里(ユカリ)・10歳
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| 剣介(ケンスケ)と菜月(ナツキ)との間の
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| ひとり娘。
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| 今回の語り手は
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| 依知果(イチカ)です。
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| 由香里(ユカリ)が小学校に入学した
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| 頃には、剣介(ケンスケ)は日中の
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| 勤務のあとは・後輩の女子社員
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| である依知果(イチカ)と・連帯行動
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| して・夕食・入浴・浴室での男女の
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| まぐわい・という・ひと通りの
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| 「食と癒しのセット」をこなして
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| から21時過ぎに帰宅するという
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| 浮気のサイクルが定着していた。
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| 剣介(ケンスケ)の妻・菜月(ナツキ)は、
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| 自分より背が高く、がさつだが
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| 自信家で・仕事はヤリ手らしく
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| 収入がありルックスもいい男と
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| ノリ良く結婚し、順当に子供を
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| 授かり・可愛い娘に育っている
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| ことで、女の幸せは手に入れた
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| と思っていた。・・・剣介(ケンスケ)が
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| 乳児期の育児を手伝ってくれた
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| なら、菜月(ナツキ)にも・時間的に、
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| 体力的に余裕が出来ただろう。
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| だが・その手伝いは全く無かった
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| ので、育児に掛かりきりになり
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| ひたすら我が子の心配をする
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| 菜月(ナツキ)と乳幼児の世話に対応
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| したがらない剣介(ケンスケ)に、
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| 妻の出産後の肉体的蜜月の再開
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| が起きる兆しは無かった。
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| そして・もう、秘めていた豊胸が
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| 夫にバレることを怖れなくても
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| 良くなったとホッとする気持ちも
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| その時の菜月(ナツキ)には・あった。
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| 葬式の日に、菜月(ナツキ)のモデル
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| 時代の同期の女が参列に来て
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| いながら、油断しまくりの迂闊
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| な二日酔いで式場の女子トイレ
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| の個室に・狙いを外した嘔吐を
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| やらかしてしまって、遅刻した
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| お坊さんを皆で待っている間に
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| 尿意を催した娘の由香里(ユカリ)は
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| 不運にも・清掃中の女子トイレに
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| 入ることが出来なかった。
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| それで・由香里(ユカリ)が・仕方なく
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| 駆け込んだのは・男子トイレの
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| 個室だったが、その薄い板の壁
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| (パーテーション)の向こうから、
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| メゾピアノの喘ぎ声と・それに
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| 付随する物音や荒い息づかいと
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| 「出してもいいのか?」という声
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| まで聞いてしまう。・・・没頭して
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| いるパパと誰かに気づかれない
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| ように、由香里(ユカリ)は・小用の
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| あとの水を流さず・そっと・扉を
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| 開けて個室から抜け出した。
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| 剣介(ケンスケ)の隣りで・主治医から
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| 末期乳癌の鬼畜さと菜月(ナツキ)の
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| 余命宣告を病院で聞いていた
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| 由香里(ユカリ)は、平日の夜・21時
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| 過ぎまでパパを引き留めて帰宅
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| を遅くしていたのが・ママよりも
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| 若いオトナの女(依知果)だった
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| ことを悟った。しかし・その人が
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| ウチに来るなら、パパも早く
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| 帰ってきてくれるし・一緒に夕食
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| を食べれるし、新しいママに
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| 料理を教えてもらえる。ママは
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| 火葬場で棺桶ごと燃やされて
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| お骨(こつ)に変わってしまった。
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| 生きている人には生きている人
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| の暮らしがあるのだから・・・
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| それが、菜月(ナツキ)の死後2週間
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| の間に由香里(ユカリ)が・ひとりで
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| 出した答だった。
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