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| ※･この物語の登場人物
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| (･今回のシリーズでは
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| ・登場人物の名前は
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| ・歌詞の中に出てきません。)
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| ●･剣介(ｹﾝｽｹ)･33歳
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| 耐震工事を請け負う会社の
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| 開発と営業担当。
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| 妻子あり。
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| ●･菜月(ﾅﾂｷ)･享年35歳
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| 剣介(ｹﾝｽｹ)の妻。専業主婦。
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| 独身時代は
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| ラウンド･ガール等を
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| 派遣するモデル事務所に
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| 所属していた。
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| この物語の中で、
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| 乳癌で入院して亡くなります。
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| ●･依知果(ｲﾁｶ)･28歳
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| 剣介(ｹﾝｽｹ)の同僚で部署も同じ｡
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| 彼より５歳下。
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| 女子バスケットボール部の
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| スポーツ少女だった。
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| 学生時代は･恋愛経験無し。
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| 剣介が初めての彼氏だが、
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| 平日の夜だけの不倫関係にある｡
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| ●･由香里(ﾕｶﾘ)･10歳
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| 剣介(ｹﾝｽｹ)と菜月(ﾅﾂｷ)との間の
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| ひとり娘。
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| 今回の語り手は
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| 由香里(ﾕｶﾘ)です。
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| 剣介(ｹﾝｽｹ)の妻･菜月(ﾅﾂｷ)は、
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| 乳腺外科を受診して･その初診
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| で･いきなり、乳癌と同時に
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| 癌の遠隔転移が発覚した時に、
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| ｢乳房の中の癌細胞は･たやすく
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| 摘出できるレベルのものだ｣と
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| 告げられなから･もうひとつ、
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| ･
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| ｢レントゲンに明らかに写って
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| いますね。乳腺の裏側にある
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| 大きなシリコンバｯグについては
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| 一緒に抜去できますが、いかが
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| しますか？｣と問われた。この時
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| 菜月(ﾅﾂｷ)は、一度･銀行に行き､
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| モデル時代の貯金をプールして
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| いた臍繰(へそく)りの口座から､
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| 乳腺外科の医師から聞いていた
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| 抜去の費用の全額自己負担分を
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| 確保し、残りを･家の口座である
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| 剣介(ｹﾝｽｹ)の口座に移した。
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| ･
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| そして･その日の午後に再び乳腺
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| 外科の医師のもとに行き、もう
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| 今から入院することと、過去の
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| 豊胸手術の残存物を胸の中から
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| 払拭するための手術は、記録を
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| 残さないために、同総合病院の
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| 形成外科で自費診療で行なって
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| もらいたいという希望と、家族
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| には抜去したあとのレントゲン
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| 写真を見せて欲しいと要望した｡
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| ･
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| 抜去後にはＦカｯプから、両胸に
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| 150㏄ずつ埋設されていたバｯグ
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| が取り除かれて･しぼんだサイズ
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| に･なってしまう。菜月(ﾅﾂｷ)は､
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| 入院する前に･ブラジｬーのカｯプ
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| の中に挟む容積増量パッドを
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| 購入した。そして･前かがみに
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| なっても胸の谷間を覗かれない
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| ようなパジｬマも購入した。この
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| 準備は全て、夫の剣介(ｹﾝｽｹ)に､
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| そして娘の由香里(ﾕｶﾘ)に、豊胸
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| の秘密に触れさせないための、
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| 菜月(ﾅﾂｷ)の｢終末活動｣だった｡
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