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⇒●文章引用元URL●⇒
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2018.07.05
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ある日突然、「虐待」で通報された
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親子のトラウマ
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本当に必要な対策とは何か?
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【・記者・】井戸・まさえ
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┃突然子どもたちが「保護」された┃
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「児童相談所です。お子さんたちを
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・保護させていただきました」
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今から4年前、
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2月最後の月曜日だった。
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Bさんはいつものように
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小学4年生と5年生の年子の
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子どもたちを学校に送り出し、
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自宅で今日締切の原稿を
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書いていたところだった。
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Bさんは翻訳家。夫も同業だ。
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午前11時ちょうどに、
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Bさんの携帯電話が鳴る。
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そして、突然、
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何の前触れもなく告げられたのは
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冒頭の・ひと言だった。
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「ちょっと待って下さい。
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・子どもが保護されたって、
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・どういうことですか?」
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Bさんは混乱した。
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保護ってどこへ?
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兄弟ふたりとも一緒に?
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児童相談所って?
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次男は・先週
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インフルエンザに罹患し
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学校を休んでいた。
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今朝は・治癒証明を持っての
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久しぶりの登校だった。
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次男の体調も心配だが、
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長男は発達障害を抱えていて、
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環境の変化には適応できない。
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不安は募る。
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学校に電話をして
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担任を呼んでもらうように頼んだ。
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が、児童相談所が絡んだ案件は
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担任とは話ができないという。
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管理職以上、つまりは・副校長や
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校長としか話せないのだ、と。
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日々の子どもの様子を知っている
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担任と話せないなんて。
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そこで・初めて・Bさんは
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自分が置かれた立場が
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想像以上に厳しいことを理解する。
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「ご両親お二人で
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・児童相談所に来て下さい」
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打ち合わせ先から
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急遽・戻って来た夫とともに
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児童相談所に行くと、その
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児童相談所に子どもたちは・おらず、
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児童相談所に付属した
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一時保護所にいるというが
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滞在先は教えてもらえなかった。
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そして、子どもたちが保護された
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理由をこう伝えられた。
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「複数の方から
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『子どもが虐待されている』
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・と通報があったんです」
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もちろん、虐待しているのは
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Bさん夫妻と決め打ちだ。
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長男は小さな頃から
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育て難(にく)い子だった。
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時折・金切り声を上げる。
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泣き止まない。
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「虐待と間違われることも
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・あるかもしれないね」と
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夫婦で冗談を言ったこともあった。
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親としては悩む。
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これまで・長男のことでは、
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市区町村の育児支援を担う
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「子ども家庭支援センター」にも
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幾度も相談に行き、発達に関する
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診断テストを受けた。結果、
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発達障害と診断された。診断は
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決して軽微なものではなかった。
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親の勉強会にも積極的に参加し、
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パニック時の対応等も
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学んだりもしていた。
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実は、以前2回ほど
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子ども家庭支援センターにも
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Bさん夫婦が「虐待している」との
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通報があった。その都度、
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担当者から連絡が来て話をしたが、
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長男の事情も知っている
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子ども家庭支援センターは
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通報内容とは乖離があるとして
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特に問題としなかった。
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┃「通報者」・は・シッターと隣人か┃
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そうした経緯を伝えても、
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児童相談所では
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子ども家庭支援センターでの
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記録は共有されていないので、
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通報があった以上・対処を
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しなければならないと言われた。
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「3日前、お子さん、
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・外に出されてなかったですか?」
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癇癪を起こした長男が、
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玄関に置いてあったゴミ袋を
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ぶちまけたので、
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掃除をしている間、
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確かに玄関の外に出した。
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「一昨日も長男君は
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・大きな声で泣いてましたね」
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一昨日……。Bさんは
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仕事の打ち合わせで遅くなるため、
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シッターにお願いをした日だ。
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「お兄ちゃんが泣き止みません。
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・どうしたらよいか」と
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シッターから電話が来た。
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Bさんは・発達障害児に対しての
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接し方の教室で習った通りに
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「パニックになったら目を合わさず、
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・クールダウンをするまで
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・待ってあげて」と伝えた。
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「そんな!放置するなんて
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・私には・できない。
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・それって虐待ですよね」
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Bさんはその会話を思い出し、
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通報した一人はシッターだと
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確信を持つ。
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「目を合わさないのは放置では無い」
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「虐待では無い」と伝えたのに。
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もしかしたら・その言い方が
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きつかったのだろうか。
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子育てに自信があるシッターは、
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長男に・うまく対処できず
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傷ついたのかもしれない。
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そのシッターから
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「Bさんは離婚すべきです。
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・そうしたら・私は・Bさんを
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・全力で支えます」と奇妙なことを
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言われたことも思い出す。「通報」
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は・思い通り動かないBさんへの
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嫌がらせなのか。
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しかし、虐待と言われた時間に
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親は居なかったというのに
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なぜ・子どもたちは
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保護されたのだろうか?
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Bさん夫婦は・共に
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家で仕事をしている時間が・比較的
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多いが、勤務する翻訳会社での
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打ち合わせは不定期で、
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裁量労働制のために・締切前は
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昼夜が逆転することもある。
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シッターさんを頼んでいる時に、
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寝ていることだってある。
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それも「育児放棄」と
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思われたのかもしれない。
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児童相談所の職員は続けて言った。
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「1週間前の火曜日の夜、
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・夫婦喧嘩も・してましたよね。
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・夫婦喧嘩も虐待ですよ」
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確かに1週間ほど前、夫と
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些細なことで言い争いをした。
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そして、また、ふと思い出す。
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台所にいたBさんに向かって
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夫が激しく怒鳴った時、廊下側の
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窓が開いていたことに気がついた。
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風に揺れるカーテンの先に・隣りの
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年配の独居男性の視線があった。
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・
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一人暮らしの老人は・子どもが
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泣くと、どんどんと壁を叩く。
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確かに長男の泣き声は響くから、
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迷惑をかけていないとは言わない。
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何度か謝りに行ったこともある。
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それにしても「虐待で通報」とは。
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「"アザ"は・お父さんですか?」
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・
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夫婦が別々に呼ばれて
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ヒアリングをされる段になると
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そう聞かれた。長男が自分で
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お尻の下にブロックを敷いて
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座った所が、アザのように
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なっていたのは知っている。
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それが・なぜ・「お父さんがやった」と
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なるのだろうか?
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この日から5週間(35日間)、
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Bさん夫妻は・一度も
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子どもたちに会えず、
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どこにいるのかさえ
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知らされなかった。
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長男には投薬が必要だったが、
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そのことすら・児童相談所は
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把握しておらず、これがもし
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別の病気だった場合は・それこそ
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命にかかわるのでゾッとする。
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子どもを「保護」するが、
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個別の健康状態等についてまでは
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気が回らないならば、それこそ
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「虐待」なのでは無いかとさえ思う。
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●1●・⇒・
●2●
・に続く。
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