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| ⇒●文章引用元ＵＲＬ●⇒
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| 世界初！全身麻酔で外科手術を
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| 成功させた医師・華岡青洲
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| 江戸時代中期。
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| 華岡青洲(はなおかせいしゅう)は、
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| 紀州(和歌山県紀の川市)の
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| 農村で生まれました。
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| 父親が村医者だった青洲は、
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| 医術が盛んな京都で漢方医学、
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| 内科、そしてオランダ流の外科を
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| 学びました。そして青洲は、世界で
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| 初めて･全身麻酔を用いた乳癌の
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| 手術を成功させました。
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| 世の中は、杉田玄白が『解体新書』
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| を刊行し、ようやく人体の構造に
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| ついての正しい知識が得られる
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| ようになった時代でした。
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| ┃世界初の全身麻酔手術┃
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| 青洲は1804年に乳癌の全身麻酔
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| 手術に成功しました。アメリカ人
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| のウィリアム・T・G・モートンも
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| ジエチルエーテルを用いて
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| 麻酔手術に成功していますが、
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| それは1846年のことですから、
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| 青洲はモートンよりも40年も前に
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| 実施していたことになります。
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| 麻酔なしの手術というのは
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| 患者にとって、まさに
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| 地獄の責め苦でした。
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| また、外科医にとっても、
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| 痛みで暴れ泣き叫ぶ患者を
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| 押さえつけて手術をするのは、
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| 大変なストレスでした。
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| 父親が医師だった青洲は、
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| 父の治療を通して外科治療の
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| 悲惨な状況を知っていました。
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| そして、患者が痛みを感じない手術
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| の方法がないかと考えていました。
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| 京都で医学を学び
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| 地元に戻ってきた25歳の青洲は、
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| 父の仕事を継いで結婚をし、
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| 診療と共に麻酔薬の研究を開始。
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| やがて、彼は
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| ●曼陀羅華
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| (まんだらげ／チョウセンアサガオ)
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| の実や、
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| ●草烏頭(そううず／トリカブト)
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| など6種類の薬草に麻酔効果が
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| あることを発見しました。
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| トリカブトは猛毒として
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| 知られていますが、強い鎮痛作用が
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| あるので、使用量を注意しながら
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| 配合されました。
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| ┃多大な犠牲と麻酔薬の完成┃
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| 青洲は調合の具合を少しずつ
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| 変えては、村の野良犬に試薬を
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| 飲ませて実験を重ねました。
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| 研究開始から10年ほど経ち。
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| ついに動物実験に成功しました。
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| この麻酔薬を医療で使用する
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| ためには人体実験が必要でした。
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| 彼は行き詰まってしまいました。
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| すると、青洲の母親･於継(おつぎ)
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| と妻の加恵が実験台になることを
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| 申し出ました。初めは固く断る
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| 青洲でしたが悩んだあげく、二人
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| の熱意に負け実験を敢行します。
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| しかし、数回にわたる人体実験
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| の末、於継が亡くなり、妻･加恵
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| は失明をするという大きな犠牲を
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| 払うことになってしまいました。
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| その後･青洲は自分の身体を
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| 使って実験を続け、研究開始から
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| 20年目に･ついに全身麻酔薬
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| ｢通仙散(つうせんさん)｣を
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| 完成させました。
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| ┃全身麻酔による乳癌手術┃
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| 1804年に勘(かん)という名の
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| 老女が青洲の診療所を訪れました。
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| 彼女は左の乳房に癌を患って
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| いました。青洲は通仙散を使って
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| 全身麻酔による乳癌摘出手術を
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| 実行する決心をしました。
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| 薬によって深い眠りについた勘の
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| 患部を切り開き、癌の腫瘍組織を
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| たった数分で取り去りました。
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| 6時間後。勘は目を覚まし、
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| 副作用もありませんでした。
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| 全身麻酔による癌手術は大成功。
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| 世界初の偉業が達成されました。
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| その後も青洲は･オランダ式の
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| 縫合術、アルコールによる消毒
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| などを駆使し、乳癌だけでなく、
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| 膀胱結石、脱疽、痔、腫瘍摘出術
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| など･さまざまな手術を
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| 行ないました。
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| 1835年11月21日。
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| 青洲は家人や弟子に
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| 見守られながら亡くなりました。
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| (享年76)
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| 1919年。生前の功により正五位
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| を追贈されています。また1952年
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| には･外科を通じて世界人類に
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| 貢献した医師のひとりとして、
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| アメリカ･シカゴにある
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| 国際外科学会付属の栄誉館に
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| 祀られました。
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| 世界初！全身麻酔で外科手術を
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| 成功させた医師・華岡青洲
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| 日本の歴史を分かりやすく解説!!
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