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あの夜、西麻布で24時越えの
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待ち伏せと尾行を請け負って
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くれた友人が言う。
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「やっぱ・あれじゃね?可愛がられる
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・ことに飢えてたからじゃねぇの?」
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「え?何だそれ?可愛がられるって、
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・逆だろ。麻里子は母親なんだから
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・娘を可愛がる立場だろ。」
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・
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「いや、違う、そうじゃなくて、女
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・としてだよ。AKS(エーケーエス)
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・って言う、AKBフォーティーエイト
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・の運営会社の元社長の窪田康志に
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・ずっと可愛がられてたって話、
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・知ってるだろ?・それが・本人に
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・とって当たり前だったから、それ
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・が無くなって、誰かに可愛がられ
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・たいっていう禁断症状が出て、
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・男漁りに走ったんじゃねぇの?」
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・
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「・・・俺が麻里子をもっと可愛がれば
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・良かったってのか?でも麻里子は
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・俺には・そんなこと・求めてないと
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・思うよ。麻里子のほうが年上だ
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・っていうのもあるし。」
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「まぁ、俺が言ってるのは、妻の
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・不倫の・あるある・ってやつだよ。
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・同棲してた頃は恋人同士でも、
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・結婚して子供ができたら・家族に
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・なるっていうじゃん。」
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「それって、世間一般の・よくある
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・パターンって事だろ?・俺たちは
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・元々・同棲してた頃から・そんなに
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・イチャついて無かったし、釣った
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・魚に餌は遣(や)らないっていう
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・より・始めから、麻里子をお姫様
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・扱いするような感じじゃ無かった
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・からね、結婚してから・俺が・淡白
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・に成った訳じゃ無いし、元々・俺は
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・男女の区別無く・人として・対等に
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・接したいと思う人間だから、
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・麻里子も・それが分かってて・俺と
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・結婚したんじゃ無いか?」
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・
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「まぁ・そうか、そういや・お前ら、
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・同棲も含めると・かれこれ・3年半
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・にも・なるんだな。・・・結婚したって
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・言っても・篠田麻里子だって・人間
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・なんだし、たまには・元彼の事を
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・思い出して・思い出に浸る事だって
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・あるだろうよ。抱かれ心地とか。」
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「でもさ、それに対して・俺が・何か
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・しなければいけないのか?・逆に
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・だよ、俺が・例えば・麻里子の目の
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・前で・学生時代の元カノの思い出話
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・を記憶から掘り起こして・あれこれ
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・喋ったとする。んでさ、あの頃の
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・俺の元カノは・こういうところが
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・良かったから、麻里子、お前も
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・見習え・とか、言っていいのか?
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・・・・仮に・恋愛だったら・アリかも
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・しれないけど、俺と麻里子は
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・結婚したんだから、結婚って、
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・そこから始まりって事だろ?
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・人生を仕切り直して、家庭を
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・築いていくもんだろ?結婚って。
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・その辺りは・けじめをつけて、
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・過去の思い出じゃ無くて・俺と
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・向き合ってもらわないと、夫婦は
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・成り立たなくなると思う、俺は。」
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・
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・「そうだな、確かに・その考えは
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・一理(いちり)あるな。まぁ、基本
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・デートのみの関係なら、失恋した
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・って・失恋した・で・済むもんな。
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・それが同棲して破局だったら
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・どちらかが家を出なきゃならなく
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・なるから、破局の深刻さのレベル
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・が段違いだよな。失恋っていう
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・心のダメージだけじゃ済まなく
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・なるから、少なくとも・一緒に
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・住んでるんなら・元彼元カノの
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・思い出なんか・わざわざ・掘り返し
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・たりしないのが普通だな。」
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