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友人は・訊いてきた。
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「ぶっちゃけ・訊くけど、勇太と
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・篠田麻里子って、セックスレス
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・だったのか?」
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その質問に対する・高橋勇太氏の
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回答は・こうだった。
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「ゼロじゃ無い。今月も1回してる。
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・麻里子が『もうひとり・産めるか
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・試したい』って言うから。」
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・・・この回答を受けて、友人は
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少し思案してから、言った。
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「やっぱ、篠田麻里子は、二次会の
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・会場のレジデンスとやらで、篠塚
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・孝哉と生(ナマ)でヤってるんじゃ
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・ねぇの?・だから、もし・篠塚孝哉
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・との子供を孕(はら)んじまった
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・としても自分が困らないように、
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・万がいちの妊娠の偽装工作の為に
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・勇太に・おねだり・したんじゃね?」
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・・・確かに、麻里子さまから誘って
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きた事の動機として、それは・立派
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に成立するものであった。
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「まぁ・別に・たいした事じゃないん
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・だろうよ、きっと、女からすれば。
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・どっちとの子供だとしても、産む
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・のは自分だって感覚だろうし。」
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その友人のフォローで、高橋勇太氏
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は・逆に・怒りが込みあげてきた。
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女のほうは、いいだろう、確実に、
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自分の遺伝子の半分が・産んだ子供
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に入るから。だが、男のほうは、
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女の卵子に飛び込んだ精子が・実は
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自分の出した精子では無かった
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という事実が判明してしまったら、
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たとえ・自分の妻が産んだ子供でも
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自分の子供だとは思えなくなるはず
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だ。慈善事業として育てようにも、
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自分をさておいてタネを植え付けた
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不埒な男への嫉妬がもたげて・愛情
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にも陰りが見えてくることだろう。
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自分の遺伝子が入っていない、赤
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の他人の精子で生まれた・自分とは
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全く血のつながりの無い子供を、
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俺は・愛情を持って育てられるとは
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思えない。確かに、性交渉・即・妊娠
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では無いが、ゼロでは無い確率を
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作り出す事に違いは無い。つうか
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「令和トラベル」社長・篠塚孝哉、
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コイツは・いったい・どういう神経を
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してるんだ?・他人の嫁を深夜に
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自宅に駆け付けさせて、自分のタネ
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で孕ませて、子供ができても・よそ
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の家庭が育てるから自分の負担には
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ならないってか?・人間か?コイツ。
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・・・こんな気違いめいた事を考えて
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いなければならない時点で、今の
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俺たち夫婦の状態は・普通じゃ無い。
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・・・その時、高橋勇太氏の脳裏で
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あるアプリの事が閃(ひらめ)いた。
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「もしかしたら、麻里子は・今も、
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・スマホで・ルナルナを使って
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・いるのかもしれない。」
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